圓福 第93号
謹啓 境内の枝垂梅も満開で、春のきざしを感じさせる今日この頃です。皆様におかれましては、如何お過ごしでしょうか、お伺い申し上げます。
今回も、法然上人のお言葉から、私達の日常生活が、明るく、楽しく暮らせるように、心の持ち方、あり方を学びたいと思います。
常に良き友に会いて、心を恥じしめられよ。
人の心は、多く、縁によりて悪しき心の起こるなり。
されば、悪縁をば去り、善縁に近づけといえり。
「いつも、尊敬できる、良い友人に会って、その行いや考えに触れて、自分と比べて至らない部分を恥じるようにしなさい。人の心は、たいてい、悪い縁によって染まってしまい、心や行動まで悪くなるものです。だからこそ、そういう悪い縁を遠ざけ、尊い良い縁に近づくようにしなさい。」
近頃の話題と言えば、東京の築地問題や、森友学園など、政治とお金です。しかしながら、今年三月末で、国が抱える借金は一千三十五兆円となり、このままだと消費税は、30パーセントにしないと返せません。少子高齢化で、税収は減る一方ですが、医療費や福祉費は、毎年上がるばかりです。肝心の政治家が、国民の血税を一円たりとも無駄にしないよう自ら身を切り、質素倹約に勤め、国民から尊敬されるような人物にならないと、日本の未来はありません。
私達も日常生活では、同じです。つい、目の前の楽しみや欲望にとらわれてしまうと、悪い人達と出会い、大切なお金を浪費し、未来も無くなってしまいます。 心から尊敬できる人とはどのような方でしょうか。それは、私利私欲が無く、奉仕の心を持って、常に感謝し、向上心を持って自ら切磋琢磨し、人を良い方向へ導く人でしょう。いくらきれいな言葉を並べても正しい行動が伴わなければ、ただの嘘つきや、詐欺師と変わりません。正しい目を身につけ、悪縁を絶ち、善縁を引き寄せましょう。欲望を全て捨て去ることは難しいですが、無量寿経にあるように、少欲知足の精神があれば、少しの喜びで満足できるでしょう。そのためには、日頃から感謝の日暮らしが大切です。それがお念仏の生活です。
左記の通り春の彼岸法要を勤めます。お彼岸は、西方浄土に旅立たれた、ご先祖や家族に思いを寄せ、感謝を供える大切な時です。雑事に追われ、心のゆとりが持てない現代です。是非、ご家族皆様、おそろいでゆっくりと、お参り下さいますようご案内申し上げます。
合掌
記
●三月十九日(日) |
午前十一時半 昼食接待
十二時半 説教(住職、阿弥陀院)
一時半 彼岸施餓鬼法要
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