圓福 第85号
謹啓 ここ毎年、日本においても、気候の変動からか、穏やかな、季節の移ろいを感じることが出来なくなりました。火山の噴火など、自然の中において、人間は、なすすべもありませんが、大自然からの大きな恩恵にあずかっているのも事実です。何事にも感謝できるように心がけ、自然を壊すようなことが無いように、歩んで参りたいと思います。
皆様におかれましては、お変わりなくお過ごしでしょうかお伺い申し上げます。
さて、今回も前回に引き続き、法然上人のお言葉から、私達の日常生活のあり方を学びたいと思います。
安心(あんじん)というは、心づかいのありさまなり。
「安心というのは、心をどのようにはたらかせるかということです。」
浄土宗では、安心を三つの心で、あらわします。一つ目は、至誠心(しじようしん)です。仏さまの方から、真実嘘偽り(うそいつわ)無い真心が振り向けられている、至れる誠の心。二つ目は、深(じん)心(しん)です。仏さまの方から、いつもどんなときも、私たちを深く信じて下さっている心。三つ目は、廻向発願心(えこうほつがんしん)です。廻向とは、字のごとく、めぐらせ、向けるということです。従って、仏さまが、我々のために、善行を修め、皆が苦しみの無い世界即ち、極楽世界に往生できるように願われている心です。
逆に、私たちから仏さまの方へ、嘘や偽りの無い心を持って、(至誠心)仏さまを深く信じ(深心)、人々に向けて善い行いをし、皆で一緒に極楽浄土に往生しようと願う心(廻向発願心)の三心もあります。
不安ということは、孤独ということです。信頼できる家族がいたり、友人がいたりすれば、将来も安心でしょう。たとえ体に不安があっても、心に安らぎがあれば、不安は安らぐでしょう。お金が少なくても、人から見捨てられなければ、生きてゆけます。心から大切に思う相手があり、相手からも大切に思われる深い信頼関係が安心ということになります。
先立たれた家族は、みんな、私達の幸せを心から願って下さっています。その思いに答えられるように、不平や不満を口にするのでは無く、感謝の気持ちを持って暮らすことが大切です。仏さまから念じて下さっている、それに答えるように仏さまを念ずる、それが安心して暮らす念仏の生活です。
下記の通り、お盆を迎えるためのお施餓鬼の法要を勤めます。ご家族おそろいで、また、ご近所、お友達もお誘いあわせて是非お参り下さい。
合掌
記
●七月十九日(日) |
午前十一時半 昼食接待
午後十二時半 住職説教他二人
一時半 盆施餓鬼法要
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