圓福 第80号
謹啓 近隣諸国との緊張から、ついに、政府は、集団的自衛権行使容認を閣議決定致しました。日本の佛教は、遠くインドの国の教えが、中国、シルクロードなどを通り、朝鮮半島からも伝わって参りました。その流を大切に今日まで守り、尊び、伝えています。世界が平和でありますよう願ってやみません。お変わりなくお過ごしでしょうかお伺い申し上げます。
さて、今回も前回に引き続き、法然上人のお言葉から、私達の日常生活のあり方を学びたいと思います。
会者定離は常の習、今はじめたるにあらず。何ぞ深く歎かんや。宿縁空しからずば同一蓮に坐せん。浄土の再会、甚だ近きにあり。今の別れは暫くの悲しみ、春の夜の夢の如し。
「大切な方との出会いも必ず別れが来ます。たった今始まったことではありません。だから、深く悲しむことではありません。尊いご縁があれば、必ず極楽世界の蓮華台の上で再会できるのです。それは、ずっと先のことではなく、近い将来です。今の別れは、ほんのしばらくの悲しみ、まるで穏やかな春の季節、いつの間にか寝てしまった時に見た夢のようなものです。」
今年も、早いもので、もう半年が過ぎて、いよいよ、お盆の時期を迎えます。お盆は、先立たれた方々が、久しぶりに我が家へと帰って来られる、再会の時です。残念ながら、その姿を直接この目で見ることも触れあうこともできませんが、大切な家族の存在を感じるとても素晴らしい行事です。先だたれた家族と二度と会えないと考えると、とてもつらく、悲しいものですが、もうすぐ会えると思うと幸せな気持ちになれるものです。それは、遠い外国に単身赴任している家族が帰ってくるような喜びです。
法然上人は、「この世での別れは、誰でもいつか必ずやって来るものです。けれど、また、近い将来必ず再会するのだから、今の悲しみは、春の夜に見る夢のようなもの、だから、笑顔で前に向かって進みなさい」とお念仏を勧めて下さいました。帰って来られた大切な家族に、心配をかけないよう、つらいことも、悲しいことも、お念仏により、感謝の心に変えて、笑顔でお盆を迎えましょう。左記の通り、お盆を迎えるためのお施餓鬼の法要を勤めます。ご家族おそろいで、また、ご近所、お友達もお誘いあわせて是非お参り下さい。 合掌
記
七月十九日(土) |
午前十一時半 昼食接待
午後十二時半 住職説教他二人
午後一時半 盆施餓鬼法要
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