圓福 第76号
謹啓
秋雨前線と台風の影響で、少し過ごしやすくなって参りました。けれども、局地的な大雨災害にもかかわらず、まだまだ水不足で、穏やかに季節が、移り変わってくれればと思う今日この頃です。 さて、今回も前回に引き続き、法然上人のお言葉から、私達の日常生活のあり方を学びたいと思います。
成仏は難しと言えども、往生は得やすし。道綽、善導の意によらば、仏の願力を仰ぎて、強縁となす。故に凡夫浄土に生ず。
「この身このままで、悟りを得て仏になることは、大変難しいことですが、極楽に往生することは、たやすいことです。道綽禅師や善導大師の御心によれば、阿弥陀さまが、衆生を漏らさず、すくい取ろうと願われたお力にすがることが、往生への確かな強いつながりとなるのです。だからこそ、我々凡夫が、お浄土に往生することができるのです。」
先日、ある仏教系新宗教の信者の方が、亡くなられました。入信していない遺族の方に、教会の人は、このままではきっと家族に何かあると、まるで恐ろしい障りやたたりがあるようなことをことを何度も忠告しに来ました。心配した家族の方が、仏壇と本尊のお軸をどうしたら良いかと、相談に来られました。
私は、住職をして三十年、多くのお軸をお炊きあげして参りましたが、一度もそのような罰は、当たっていませんよと、安心してもらい、早速、本堂で、お精抜きをし、お炊きあげすることに致しました。その後、家族の方々は、毎日安心して、楽しく、幸せに暮らしておられます。
この世には、人がまねができないほど、立派なことをされる、尊い人格者がおられます。ところが、ほとんどの方は、自分にとって、損か得かを考え、行動してしまいます。欲望を捨て、世の人のために一生を捧げることなど、簡単にはできません。そんな私達が、この身このまま仏になることはとてもできません。
けれども、そんな私達を大切に思い、幸せになって欲しいと心から真心を振り向けて下さる、両親やご先祖、動物たち、仏様がちゃんといらっしゃるのです。 その尊い強い絆に気づき、感謝の気持ちを忘れないことが、極楽世界に往き生まれる念仏の生活です。
下記の通り、秋の彼岸施餓鬼法要を勤めます。是非、お揃いでお参り下さい。
記
日時:九月十九日(木)
午前十一時半 昼食接待
午後十二時半 住職他説教 一時半 彼岸施餓鬼法要