圓福 第75号
謹啓
地球温暖化の影響でしょうか、昔のように穏やかな季節の移り変わりがなく、地球環境破壊は深刻な状態なのかもしれません。 今年も、梅雨らしいお天気が続かず、水不足も心配です。 しかしながら、台風や豪雨で、一度にたくさんの雨が降るのも困ります。 皆様に置かれましては如何お過ごしでしょうかお伺い申し上げます。
さて、今回も前回に引き続き、法然上人のお言葉から、私達の日常生活のあり方を学びたいと思います。
往生は、一定と思えば、一定なり。不定と思えば、不定なり。
「極楽に生まれることが定まっていると思えば、往生がかなうものです。けれども、確実では無いと思えば、往生はかないません。」
信じると言うことは、とても難しいことです。 親子であっても、時には嘘や裏切りがあり、財産が絡めば、兄弟も赤の他人となります。 信じ合い、愛し合って夫婦になったはずなのに、今や、結婚するカップルの半分は離婚する時代になりました。
従って、私達が、素直に極楽に往生できると思うことは難しいと言わざるを得ません。 それは、どんな時代の人でも同じことです。 昔だから、素直に何事も信じられるかと言うとそう簡単なものではありません。 見たこともなければ行ったこともない極楽世界です。
それでは、どうして法然上人は、信じることができない私達に、この言葉を残されたのでしょうか。
例えば、子供が、学校へ登校しました。 もし、学校で地震があったり、下校途中に事故に遭ったり、悪い人に出会ったりと心配するとどうでしょうか。 たちまち、不安でたまらなくなり、何も手につかなくなるでしょう。
人生も同じことです。 つまらない心配をして毎日を不安に暮らすことよりも、安心して、幸せに暮らすことが、とても大切です。 だから、法然上人は、「心配すれば心配事が増えてやってくる、そのためには、お念仏で極楽往生、間違いなしと、安心して生活をしなさい、そうすれば、安定した幸せな毎日を過ごすことができるのですよ」とお教え下さっています。
いよいよお盆がやってきます。先立たれた方々が、心配なく、安心して帰って来て下るように、心からの感謝の誠を捧げましょう。 今回も、平日となりますが、是非みなさまお誘い合わせてお参り下さい。
合掌
---------- 記 ----------
2013年 7月19日(金)
午前11時半 昼食接待
午後12時半 住職説教他二人
1時半 盆施餓鬼法要