圓福 第74号
謹啓
今年の桜は、全国的に例年より早い開花になりました。 境内の枝垂れ桜も少しずつ散り始めています。
暖かな春の日差しが心地よい今日この頃です。 皆様におかれましては、如何お過ごしでしょうかお伺い申し上げます。
日ごろは圓福寺護持のため何かとお世話になり厚くお礼申し上げます。
さて、今回も昨年に引き続き、法然上人の生涯についてすすめて参ります。
○法然上人について○
九条兼実公は、将来を嘱望されていた長男・良通が早世した心痛から、専修念仏の教えに救いを求め、建仁二年(1202)正月二十七日、法然上人を戒師として出家しました。
それから、三年後、元久二年(1205)四月五日に、九条兼実公は、法然上人を自分の山荘に招き、お念仏の教えを数時間聴聞されました。 上人が、帰りに邸内の橋の上を渡りかけた時、兼実公は、突然、うずくまるように庭に下がり、額を地面につけて上人を礼拝しました。 兼実公には、上人が地面から離れ宙に浮き、蓮華の台を踏まえてお歩きになり、頭の後ろには、円光が現れていた姿を、はっきりと見たからです。
その後この橋を頭光の橋と呼び、益々、生き仏のように上人を敬いました。
この世は無常、人の命は、はかないものです。 そして、思うようにならないのが人生です。 大切な家族を失った悲しみは、いつの時代でも、誰にとっても、つらく苦しいものです。
そのつらさ、苦しさ、深い悲しみを、大きな慈悲の心で全て受け止めて下さる法然上人は、兼実公にとって、どれほど大きな存在だったことでしょう。 だからこそ、上人の説かれる念仏の教えに、心から感激され、上人のお姿に仏様の姿を見られたのでしょう。
清らかで、徳が有り、尊いお方は、光り輝いて見えるものです。 そんなすばらしい法然上人に私達は、直接会うことも、教えを頂くこともできませんが、その尊いお姿を想像することはできます。
そして、そのお姿を絵や像にして見ることもできます。 円福寺の法然上人像は、鏡の御影と言われ、法然上人に生き写しとして文化財に指定されています。
私達のつらさ苦しさを全て、受け止めて下さるお姿です。 私達をいつも見守って下さっている、ご先祖様に照らし合わせ、心から感謝のお念仏を捧げましょう。
下記の通り、法然上人のご遺徳を偲び、上人の尊像を本堂正面に頂き、御忌法要を勤めます。 是非、ご近所お誘い合わせてお参り下さい。
合掌
---------- 記 ----------
●2013年 4月20日(土)
午前11時30分 昼食接待
午後12時30分
説教(住職他)
1時30分 御忌塔婆回向法要
2時30分 法然上人御忌法要
納骨塔総回向 (分骨を納骨いたします)