圓福 第71号
謹啓
地球温暖化の影響でしょうか。 気候は荒々しく、毎年、夏は三十度を超す猛暑日が続きます。 体調を壊しやすい、季節の変わり目です。 くれぐれもお体を大切にお過ごし下さいますようお願い申し上げます。
さて、今回も前回に引き続き、法然上人のお言葉から、私達の日常生活のあり方を学びたいと思います。
悪を造る身なるが故に念仏を申すなり。
悪を造らん料に、念仏申すにはあらずと心得るべきなり。
「ついつい悪いことをしてしまう私たちです。だからこそ念仏を称えるのです。悪いことをしても大丈夫なように念仏を称えるのではありません。しっかりと心得るべきです。」
先日、「朝晩きちっとお経をあげているのに、よくないことばかりおきます。悪い霊が取り憑いていると思うので、除霊をお願いします。」と、来られました。 亡くなった方々への供養は、自分のためではなく、あくまでも、その方々への真心をお供えするのが本当の供養になります。 見返りを求めてする供養は、本当の供養になりません。
とは言っても、誰しも、不安な毎日より、安心して生活したいものです。 何かにすがりたくなるのは、悪いことが起きないよう、願うからに他なりません。
人は皆、多かれ少なかれ、自分中心に物事を考え、行動します。 その結果、時には人に嫌な思いをさせたり、悲しい思いをさせてしまうものです。 幼い子供を見ればわかります。欲しい物を買ってもらえなかったり、好きなことをさせてもらえないと、すぐにだだをこねて、親を困らせます。 大人になっても、自分にとって都合が悪いことは、嘘をついてでも避けてしまいます。 口では良いことを言っても、心では全く逆のことを思っていることもあります。
まさに、法然上人のおっしゃるとおり、ついつい悪いことをしてしまうのが私たちです。 だからこそ、日頃から、お念仏を称えて、感謝の心を育てておくべきなのです。 どんなつらいことや悲しいことがあっても、感謝の心があれば、乗り越える力となります。 これが、念仏の信者の生活です。 この世は、思うようにならないものです。 思い通りにならないからと、不満や怒りで過ごすことより、心静かに亡き方々のことを思い、手を合わせ、感謝の真心を捧げましょう。
下記の通り、秋の彼岸施餓鬼法要を勤めます。是非、お揃いでお参り下さい。
合掌
---------- 記 ----------
2012年 9月19日(水)
午前11時30分 昼食接待
午後12時30分
住職ほか説教
1時30分 彼岸施餓鬼法要