圓福 第69号
謹啓
今年は、四月になっても肌寒く、例年より桜の開花が遅れています。 境内の枝垂れ桜もやっと咲き始め、まもなく満開になります。 ここ数年、穏やかな気候ではなく、荒々しい天候で、まるで、自然破壊のつけがまわってきているようです。
皆様におかれましては、如何お過ごしでしょうかお伺い申し上げます。日ごろは圓福寺護持のため何かとお世話になり厚くお礼申し上げます。
さて、今回も昨年に引き続き、法然上人の生涯についてすすめて参ります。
○法然上人について○
日々に何万遍もお念仏を唱えておられた法然上人は、ついに、六十六歳の時、目の前に極楽世界の様子をご覧になりました。
それは、極楽世界の様子を説いた仏説阿弥陀経に、説かれたままの世界で、美しく輝く空や光明、宝でできた木々、清く澄み切った宝の池、そして、尊い阿弥陀様、観音、勢至の両菩薩様をはっきりとご覧になりました。
これらは、法然上人の三昧発得記(ざんまいほっとくき)に詳しく残しておられます。
このような伝記には、その方のお徳を示すため、大げさに書かれたりするものですが、この尊い出来事は、決して無理に脚色したものではありません。 単に幻を見たに過ぎないと思われる方もいらっしゃるでしょう。 けれども私たちでも、法然上人ほど明らかに見ることはできなくても、それに近い経験をしたことがきっとあるはずです。 すばらしい人に出会ったり、何かに心から感激したその時、目に映るすべてが、美しく、きらきらと輝いて見えます。 病気や事故で一命を取り留め、今生きていることが有り難く感じられた時も、普段目にする何でもない景色が、こんなにも美しかったかと感激します。
法然上人は、自分自身にむち打って必死で一日に何万遍もお念仏をされたのではありません。 心から感激して、思わず口からこぼれ出る、喜びのお念仏をされていたのです。 その感激感動が決して消えることがなかったのは、絶対的な自信です。間違いがない、阿弥陀様がお救いくださると心から信じることができたからに他なりません。 だからこそ、この身このまま、目の前に美しい極楽世界が広がったのです。
私たちも、今、仏様、ご先祖様に生かされ、生きている喜びを感謝と感激で過ごしたいものです。 そのためには、ご先祖様や仏様に向き合う大切な時間を持つ必要があります。 法然上人のご遺徳を偲ぶ御忌法要に是非、ご近所お誘い合わせてお参り下さい。
合掌
---------- 記 ----------
2012年 4月21日(月) (毎年四月第三土曜)
午前11時30分 昼食接待
午後12時30分
住職、他説教
1時30分 御忌塔婆回向法要
2時30分 法然上人御忌法要
納骨塔総回向
(分骨を納骨いたします)