圓福 第68号
謹啓
毎年、境内の枝垂れ梅が、満開になる時期ですが、今年は、厳しい寒さが続いたため、つぼみのままです。 けれども暖かな春も、もうすぐです。
ヨーロッパの金融不安が少しだけ落ち着きを見せて、急激な円高も治まりつつありますが、完全に不安は払拭されず、先行き不透明です。 日本も、政治不信から、消費税増税、震災復興、原発問題、年金等、景気が悪い中、多くの問題を抱えて、今年は、まさに、正念場と言っても過言ではありません。
こんな時代だからこそ、法然上人のお言葉から、私達の日常生活における、心の持ち方、あり方を学び、私たちも、足下をしっかりと、大切な未来のためにできる限りの努力を続けて参りたいと思います。
僧の作法は、大小の戒律にあり。
しかりと言えども、末法の僧はこれに従わず。
源空、たとえ、これを禁ずとも、誰人かこれに、従わん。
ただ、所詮念仏の相続するよう、あい計るべきなり。
「僧侶として、歩むべき道は、大乗仏教、小乗仏教の戒律によるべきです。けれども、この世も終わりかと感じる今は、いくら私(法然上人)が、厳しく誡めても、誰一人として、守ることはできないでしょう。こんな時はただ、お念仏が、続けられるように努めることです。」
いつの世も、安定した気候で、作物は豊に実り、日々の生活が潤う時は、皆、明るく、楽しい毎日を送ることができます。 けれども、地震や天候不順が続き、自然が驚異に感じられ、作物も取れず、日々の生活に支障が出ると、ものを奪い合い、戦争が起こり、暗い不安な毎日になります。 人の見本としてあるべき僧侶でさえ、このような毎日の生活が不安になる時代では、身も心も清く生きるというのは、困難です。 法然上人は、同じような時代を生きる私たちに、苦しいときこそ、感謝の心を忘れないように、日々、手を合わせ、仏を念じなさい、それこそが苦しみを乗り越え、争いのない、平和な毎日を過ごすことのできる知恵であるとおっしゃっています。
下記の通り春の彼岸法要をつとめます。先立たれた尊い命に感謝を捧げ、心に安らぎを取り戻しましょう。是非ご家族皆様おそろいでお越し下さいますよう、ご案内申し上げます。
合掌
記
2012年 3月19日(月)
午前11時30分 昼食接待
午後12時30分
説教(当山住職、ほか)
1時30分 彼岸施餓鬼法要