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圓福 第101号

圓福 第101号

謹啓 北海道での地震、台風二十一号は、各地に甚大な被害をもたらせました。強風で本堂正面の高野槙は根元から倒れましたが、何とか起こしました。ここ最近、世界中で自然災害が多く、気候の変動が穏やかに移り変わることを願ってやみません。被害を受けられた方々に、心からお見舞い申し上げます。
 さて、今回も前回に引き続き、法然上人のお言葉から、私達の日常生活のあり方を学びたいと思います。
 

録の経教も聞き見ず、如何に言わんや録の他の見ざる人の、
智恵あり顔に申すは、井の底の蛙に似たり

  
「お釈迦様が正しく説かれた目録に載っている経典を読んだり、聞いたりしないで、ましてや、他の正しい知識も無い者が、何でも知っているような顔をして、人に物を申す人は、井の中の蛙と一緒です。」
  私は、お説教をあちこちでさせて頂くので、読書は欠かせませんが、本の購入は、インターネットです。本屋さんと違って、直接見る事が出来ないので、評価のコメントや星が多く付いてるのを参考にします。ところが、安心して購入すると、とんでもなくつまらない本に何度も当たりました。だまされた、と思うのですが、それでも解らないことがあると、すぐにインターネットで調べてしまいます。ネットの情報は必ずしも正しいことばかりが書かれているわけでは無く、膨大な情報の中から、正確なものを選ばなくては、いけません。テレビや週刊誌などのマスコミも同じです。ついこの前は、相撲の八百長や協会の問題、次はボクシング、気付けば、今は体操です。噂話に耳を傾けると、ろくでもないことになってしまいます。儲け話も同じです。かなり前ですが母親がケフィアヨーグルトを購入した際、変な案内が来ていました。それは、出資すれば年利10%の配当でした。低金利の時代にあり得るわけがありません。こんな会社は倒産するだろうと思っていたら、案の定でした。うまい話には気をつけろと言われていますが、未だに騙される方がおられます。宗教もまた、同じことが言えます。仏教は、二千五百年の歴史があります。浄土宗を開かれた法然上人の教えも後六年で八百五十年です。長く受け継がれた歴史と伝統があります。いい加減な教えなら、今日まで、続くことは無いでしょう。何事にも広い知識と物事を深く読み取る力が必要です。その為には、自分のわずかな知識を振りかざすのではなく、正しい教えと誠実な人の話に耳を傾けることが大切です。
 下記の通り、秋のお彼岸法要を勤めます。ご家族、お友達、お誘い合わせ是非、お参り下さいますようご案内申し上げます

合掌

九月十九日(水)
 

午前十一時半

昼食接待

午後十二時

住職、他二人説教

一時半

彼岸施餓鬼法要