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圓福 第123号

圓福 第123号

謹啓 境内に枝垂れ梅を植樹して、二十年を超えました。今年も見事に満開の花をつけて、お参りの方々の目を楽しませてくれています。暑さ寒さも彼岸まで、間もなく温かな春を迎えます。皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうかお伺い申し上げます。
 さて、今回も、法然上人のお言葉から、私達の日常生活が、明るく、正しく、楽しく暮らせるように、心の持ち方、あり方を学びたいと思います。
 
深心というは仏の本願を信ずる心なり。 中略
人多く妨げんとして、これを憎み、これを遮れども、
これによりて心のはたらかざるを、深き信とは申すなり
 
 深心(じんしん)とは、阿弥陀さまの本願を信じる心です。多くの人たちが、お念仏を妨害し、非難し、やめさせようと制止しても、それによって心が惑わされないことを「深き信」と言うのです。
 特殊詐欺は、昨年一年間で、一万七千五百二十件、被害額は、三百六十一億四千万以上です。未だに、収まるどころか、凶悪化し、増える一方です。
 また、詐欺と変わらないカルト宗教もあの手この手で、真面目な優しい方から搾り取り、安心な明るい未来が見えない時代です。
 共通していることは、騙されていることに気づかず、相手を信じてしまうことから始まります。基本的に、相手を恐れさせ、藁にもすがる気持ちを利用します。
「このままでは大変なことになる」と考える時間や余裕を与えず、相手の言うことを聞いてしまいます。落ち着いて、本当に信頼できる人に相談すれば、騙されることはありませんが、既に言葉巧みな詐欺師の術中にはまり、相手を盲信し、狂信してしまうのです。昔から「好事魔多し」と言われるように、うまい話には裏があります。確かに銀行や郵便局に預けても、利息は雀の涙です。だからといって、簡単にお金は増えません。高い利率を謳う投資詐欺も後を絶ちません。
 仏教は、二千五百年以上の歴史があります。今日まで守り続けられた、尊い伝統や教えには、嘘や偽りなどありません。法然上人の教えの通り、私たちの幸せを願う大きな願い「本願」を深く信じ、今ある幸せを心から感謝しましょう。本当に信頼できる人や正しい教えに寄り添い、偽りの言葉に心を奪われることの無いように、喜びで手が合わさる毎日を過ごして参りましょう。
 左記の通り春のお彼岸法要を迎えます。先立たれた大切な家族にお陰様と、心から感謝の祈りを捧げましょう。是非、ご家族、ご友人お誘い合わせて、ごゆっくりと、お参り下さいますようご案内申し上げます。

合掌

三月十九日(日)


午前十一時半

昼食接待

午後十二時半

説教(住職、阿弥陀院)

午後一時半

彼岸施餓鬼法要