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圓福 第118号

圓福 第118号

謹啓 境内の枝垂れ梅も満開です。今年は雪も多く、厳しい冬の季節でしたが、暑さ寒さも彼岸まで、いよいよ本格的な春を迎えます。まだまだコロナも心配ですが、今まで通りマスクや手洗いなど十分に気をつけて過ごして参りましょう。
さて、今回も法然上人のお言葉から、私達の日常生活が明るく正しく楽しく暮らせるように、心の持ち方、あり方を学びたいと思います。
 

無益のこの世を祈らんとて、大事の後世を忘るる事は、さらに本意にあらず


はかないこの世での利益ばかりを祈り、大切な後の世のことを忘れることは、何よりも仏さまの本当の思いにかなうことではありません」
 
誰でも、自分の幸せや喜びを求めます。それは決して悪いことではありません。本当に大切なことは、素晴らしい未来になる様に、毎日を大切に、小さな努力を重ねていくことですが、どうしても目の前のことに心を奪われ、右往左往してしまいます。後先を考えずに目先の利益ばかりを求めると、大切なことを見失い、後で取り返しのつかないことになってしまうものです。人生ははかないものですが、だからこそ美しく尊いものです。コロナ禍の今こそ、有名な米百俵の故事にならい、未来に何を残せるか、もう一度考える時です。明治の政治家後藤新平のことばに「財を残すは下、事業を残すは中、人を残すは上なり」とあるように、子どもたちにお金を残すことよりも、仕事を残すことよりも、世の為人の為に活躍できる立派な人になる様に育てることが最も大切なことです。しかしながら、親が子を教育することは何よりも難しいことです。親の背を見て子は育つとは、職人として、側に居ればの話です。その為に学校がありますが、知識は授けられても、心の教育は十分には出来ません。いくつになっても向上心を持って、常に学ぶことを忘れてはなりません。尊い先人の生き方に学び、その思いに触れることこそ最も肝要です。仏さまになられた先人の思いにかなう生き方とは、感謝の日暮らしに他なりません。それが念仏の生活です。仏さまの方より念じてもらっていることに気づく事です。そこに感謝が生まれます。感謝の心は人を育てます。お陰さまとご恩に感謝し、そのご恩返しが、恩送りになり、また人を育てます。
 
下記の通り春のお彼岸法要を迎えます。家族でお説教を聴聞し、先立たれたご先祖さまや大切な家族にお陰様と、心から感謝の祈りを捧げましょう。検温、マスク、消毒をお願い申し上げます。是非、くれぐれもご無理の無いよう、ゆっくりと、お参り下さいますようご案内申し上げます。

合掌

三月十九日(土) 


午前十一時半

昼食接待

午後十二時半

説教(住職、光明寺)

午後一時半

彼岸施餓鬼法要