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圓福 第113号

圓福 第113号

謹啓 いよいよ日本もやっとワクチンが接種され始めました。時間がかかりますが、やがて、過去の出来事となるでしょう。厳しい冬が無ければ、気づけない大切なことがあるように、私たちに大きな転換を迫られているように思います。経済発展を優先させるあまり、自然を破壊し、環境を汚染し、地球だけで無く、宇宙にまで人類こそが最も優れたと思い上がった行動が引き起こした結果のように思われて仕方ありません。
 さて、今回も、法然上人のお言葉から、私達の日常生活が、明るく、正しく、楽しく暮らせるように、心の持ち方、あり方を学びたいと思います。
 
例えばひが事言う者ありてあの池の蓮華を梅ぞ桜ぞと言わんには、汝はその定に蓮華にはあらざりける、誠に梅なり桜なりと思わんずるか。
 
「道理や事実にあわない事を言う者がいて、あの池の蓮華を梅だ桜と言ったとして、あなたは、その通りに、蓮華では無く、梅だとか桜だと思いますか」
 随蓮は、「今、現に蓮の花であるのに、例え人がどのように言ったところで、どうして信じることが出来ましょうか」と答えました。上人は、「お念仏の教えも一緒です。他の人があれこれ言っても邪な教えを信じてはいけません」
 コロナ禍で、多くの情報が錯綜して、毎日、毎日朝から晩まで、様々な人々が、色々な意見を述べられます。ワクチン一つとっても、どこが良いとか悪いとか、副作用など、不安をあおったり、果ては、天地創造の神が、人間に罰を与えて警告しているなど、枚挙にいとまがありません。新聞やテレビなどマスコミも、注目される事が大事で、正しい事とは限りません。この世は無常です。良い時も有れば、悪い時も有ります。過去の歴史を見れば、人類は気候変動も含めて、多くの災害や災難に見舞われて、今日まで生き延びてきました。佛教の基本は、
 諸悪莫作(しょあくまくさ) ― もろもろの悪を作すこと莫く(なく)
 衆善奉行(しゅうぜんぶぎょう) ― もろもろの善を行い
 自浄其意(じじょうごい) ― 自ら其の意(こころ)を浄くす
 是諸仏教(ぜしょぶつきょう) ― 是がもろもろの仏の教えなり
です。正しい目を養い、正しい心を育てて、責任有る行動を致しましょう。
 今年も春のお彼岸法要を迎えます。先立たれたご先祖さまや子たちにお陰様と、心から感謝の祈りを捧げましょう。当日は、検温、マスク、消毒をお願い申し上げます。是非、くれぐれもご無理の無いよう、ゆっくりと、お参り下さいますようご案内申し上げます。

合掌

三月十九日(金) 


午前十一時半

昼食接待

午後十二時半

説教(住職、阿弥陀院)

午後一時半

彼岸施餓鬼法要