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圓福 第133号

圓福 第133号

謹啓 昨年の二月は東北地方で気温が二十度を超えて観測史上最高温度でした。ところが今年の二月は逆に大雪で、日本も穏やかな四季折々の季節を迎えるのが難しい環境になってしまいました。先進国による工業化のツケが多大な環境破壊をもたらし、世界規模で気候変動による大災害が起こっています。自然災害は食糧不足をもたらし、悲しい戦争へと繋がります。国を超えての協力が大切です。日本がリーダーとなって、その見本となる国作りをしてゆかねばなりません。
 さて、今回も法然上人のお言葉から、私達の日常生活が明るく正しく楽しく暮らせるように、心の持ち方あり方を学びたいと思います。
 
 いずくか浅く、いずれか深き、共に是非をわきまえ難し。かれも教、これも教。互いに偏執を抱く事なかれ。
 広く諸教にわたりて義を談ぜんと思えば、一期の命、暮れやすし。
 
 「お釈迦さまの教えは、対機説法、相手に応じて説かれたもので、どの教えが浅い深いと論じることは出来ません。どれもお釈迦さまの尊い教えだからです。自分の所の教えが正しいなどと、偏った考えをお互いに持たないように致しましょう。もし、お釈迦さまの教えを全て、理解するなら、八万四千もの膨大な経典があり、とても命がいくつあっても足りません。」
 時々、お越しになる方から、何宗ですか、宗派が違いますが大丈夫でしょうかと尋ねられる事があります。仏教は、基本的に同じです。方法が違うだけです。例えば、風邪をひいたと近くのお医者様に診てもらった時、処方されるお薬は、病院によって様々です。風邪ぐらい二、三日寝てれば治ると考える方もおられるし、薬局の市販お薬で十分だと考える方もおられるし、健康食品が一番と考える方もおられます。どれが一番良いかは、自分に合うかどうかが最も大切です。
 確かに、病院のお薬は、市販のものより効き目も強く、お人によっては、副作用が強く出てしまう事もあります。また逆に、単なる風邪だと思って、良い食事や休息によって治ると自分の知識や体力を過信してしまう事もあります。取り返しのつかない病気が隠れていて、もっと早く病院に行ってちゃんと診てもらっておけばと、後悔する事もあります。偏らない心を持つ事こそが、最も肝要な事を法然上人は、私達に教えて下さっています。
 左記の通り春のお彼岸法要を迎えます。ご恩を頂いた大切な家族にお陰様と、偏らない広い心を持って、感謝の祈りを捧げましょう。是非、ご家族、ご友人お誘い合わせて、お参り下さいますようご案内申し上げます。

合掌

三月十九日(水)


午前十一時半

昼食接待

午後十二時半

説教(住職、他)

午後一時半

彼岸施餓鬼法要