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圓福 第116号

圓福 第116号

謹啓 変異ウィルスの猛威で、連日感染者が増え未だ終息の兆しも見えません。少しでも早く、若い人たちへのワクチン接種が進み、治療薬も功を奏し、普通の生活にもどれれる日が来るように祈るばかりです。それぞれが予防に気をつけて、皆で協力し、進んで参りたいと存じます。
 さて、今回は、法然上人のお歌から、私達の日常生活のあり方を学びたいと思います。
 

極楽も かくやあるらん あら楽し とく参らばや 南無阿弥陀仏

 

「阿弥陀さまの極楽世界とは、まさに、このような光景なのでしょうか。
  ああ、なんと楽しい心地でしょう。今すぐにでも参りたい。南無阿弥陀仏。」

 
 このお歌は、法然上人が、讃岐国(香川県)に向かう途中に寄られた塩(し)飽(あく)島(じま)で歓待を受けて読まれたお歌です。弟子の行き過ぎた行いによって、その責任を問われ、流罪になった法然上人ですが、住み慣れた京の都から離れ、高齢にもかかわらず、地方に布教出来る絶好の機会と捉えて意気揚々と出発されました。
 今年の夏は、雨が多く、草取りも思うように進まず、気づけば、あっという間に生い茂っています。平らな日当たりのよい雑草は、大きく伸び伸びと育っていますが、アスファルトの小さな隙間にもしっかりと小さな雑草が生えています。
 植物も動物も与えられた環境や立場で、精一杯生きていますが、人は、欲望が多く、他と比べて、不服や愚痴で感謝の心を失いがちです。
 会社で、左遷されて、出世から大きく外れる人もいれば、返って、大きな功績を上げて、出世された方々も多くいらっしゃいます。また、見ず知らずの国に嫁いで苦労はされたものの、そこで大きく花を咲かせ、地元の名士になられた方々もいらっしゃいます。逆境こそ、最大のチャンスと捉えることが出来るかは、心一つです。憧れや希望は大切ですが、住めば都です。どんな場所でもしっかり地に足をつけ、立派に根を生やし、自分なりの花を咲かせ、種を作り、次の命へと繋いでいくことが大切です。踏まれても、抜かれても決して負けない、雑草のように強くたくましくありたいものです。その為にも、日頃から感謝の心を育てることが最も重要です。どんな辛いことも苦しいことも有り難いと受け取れることが出来る、感謝の心は人を強くします。法然上人は、感謝の心を念仏の生活によって得られ、もう既に極楽世界で暮らしている様に過ごされました。
 私たちも生かされていることに喜びを感じ、感謝の念仏の生活を致しましょう。
 下記の通り、秋のお彼岸法要を勤めます。新型コロナウィルスも心配ですが、ご無理のない様にお参り下さい。検温、マスクを忘れずに、ご家族、お友達、お誘い合わせ是非、お参り下さいますようご案内申し上げます。

合掌

九月十九日(日) 


午前十一時半

昼食接待

午後十二時半

住職、阿弥陀院説教

午後一時半

彼岸施餓鬼法要